私たち味の素グループは、アミノ酸研究を起点として先端・バイオファイン技術を軸に成長してきました。1908年に「日本人の栄養状態を改善したい」と願っていた池田菊苗博士が発見した「うま味」を、創業者・鈴木三郎助が「味の素®」として製品化したことからその歴史が始まりました。この創業時の「おいしく食べて健康づくり」という志は、100年以上経過した現在も、社会課題を解決しながら社会価値と経済価値の共創を目指す取り組みであるASV(Ajinomoto Group Shared Value)として受け継がれています。

 

今、味の素グループを取り巻く状況は、予測が難しい事業環境に置かれています。このような時代にこそ、私たちが拠り所とするパーパス「志」がますます重要になっています。味の素グループの「志」は、「食と健康の課題を解決」することです。世界が直面する健康や栄養の課題に向き合うと同時に、サステナビリティの取り組みを両立し、人びとのウェルネスを共創していきます。これこそが味の素グループの存在意義であり、社会価値を経済価値につなげるASVの実現にもつながります。

 

また、この「志」への社員一人ひとりの心の底から溢れ出す「熱意」と、「志」を共有していただける多様な関係者の皆さまの共感が、味の素グループのさらなる成長の原動力となります。「志」への熱意が高まるほど、社員が働きがい高く仕事に取り組むことにつながり、ASVサイクルの好循環を実現できるのだと考えています。さらにビジョン実現を加速すべく、無形資産への投資等を通じて取り組みを「磨く」ことにも注力します。食品事業とアミノサイエンス事業を融合させ、人財、組織、顧客等の無形資産に横串を指すことで、新たな顧客価値や事業モデルの創造を実現していきます。「志×熱×磨」を大切に、また企業価値と企業文化変革の「スピードアップ×スケールアップ」を推進しながら、株主の皆さまをはじめ、あらゆるステークホルダーの皆さまの期待に応えていきます。

 

今後とも、皆さまのより一層のご支援、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

 

代表執行役社長 最高経営責任者  

藤江 太郎